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設立の経緯

この趣意書に目を通してくださっている皆様。


皆様の自宅、また牧会しておられる教会、あるいはお知りあいのクリスチャンのところにエホバの証人から訪問をうけた経験がおありでしょうか。


そのとき、皆様はどのような気持ちになられ、どのように反応されたでしょうか。「関わりたくない」「話しても無駄だから無視する」「あのように訪問していかれたら迷惑だなぁ」などが正直な気持ちではないでしょうか。

実は私も同じような気持ちをもっておりました。ところが、ここ数年で態度が変わってしまいました。どうして、またなぜの理由をお話する前に
エホバの証人と私が直接関わった三回の体験を手短にお話します。

一つは今から31年前の エホバの証人と輸血拒否事件(川崎市の路上で交通事故に遭い救急搬送された大ちゃんがエホバの証人である両親の意志により輸血を受け入れず亡くなる事件)の時です。私は鹿児島県出水市で開拓伝道をしていました。その新聞を手に会社経営をしておられたエホバの証人夫妻のお宅に伺い、なぜ、いのちを与えるためにご自分をおささげになったキリストを信じ従っているというのに、このようなことが起こるのか。聖書の教えに逆行していませんか。と素直に質問した。すると彼らは一つも動揺することもなく、聖書の教えに沿ったことです。と淡々と話された。私の頭の中には大きな「?」が永遠に浮かんできて、どうして、こんなへんてこなことを信じるのだろうか。聖書をどのように読んでいるのだろうか。と不可解に感じました。それ以来、彼らとは会っていませんが、近いうちに再び訪問してみようと考えています。

それから、10年位たって、私たちが住んでいた当時の薩摩川内市の自宅にエホバの証人が訪問してきました。私はウイリアムウッド先生の本を手に入れ何度も読み返して、彼らの間違いをしっかりと指摘しようと考えていました。そして毎週の訪問を受諾して、一緒にヘブル書を調べました。そこにはキリストが神であり、神以外にはささげられるべきでない礼拝がキリストにささげられています。そこを指摘しても彼らはびっくりせず、それでもキリストは神ではないと言い張り、もう自分たちはあなたを訪問することができませんと言い残し、一方的に彼らから訪問をストップしました。

三回目は今から数年前のことです。教会堂に訪問してきたエホバの証人カップル(ご夫婦ともエホバの証人2世、ご主人は会衆の長老)と約2年近く、ほとんど毎週、時には週に2回、数時間にわたって、お互いの家を交互に訪問しながら、時には共に食事をして、真面目に聖書の話とか結婚の話とかいろいろなことを話したり、また聞いたりしました。最後に彼らはエホバの証人の組織の教えがまったくつじつまがあっていない笑ってしまうほどの内容であることは理解しました。しかし、救出までは至らなかったのです。

私はエホバの証人と接するにつれて特に最後のカップルとの交流の時間を通していろいろなことを知るようになりました。ざっと書きなぐると次のようなことでしょうか。

○大切な教理が突然変わるので、エホバの証人自体も悩んでどうしたら、いいかわからない時がある。


○何かおかしいと思っても、自分で聖書をそのまま読んで理解しようとすることは独立的な考えの証拠であり、サタンの誘惑にはまってしまうのだと、長年、何度も何度も刷り込まれるように教化されているので、今更やめることが出来ない。組織の実態を調べて本当のことを見極めようとする勇気と気力がない。ましてや、エホバの証人の教えが間違いであることに気がついて組織を離れた人の話を聞いたり、彼らが書いた書物を読んだりすること、挨拶を交わすことも絶対に禁止されている。(家族であっても禁止されている)


○アメリカではエホバの証人の野外活動中に児童性的虐待がなされ、裁判になり、ものみの塔聖書冊子協会が、敗訴し被害者に1350万ドル(約15億円)の損害賠償の支払いが命じられました。しかし、そのような事実はエホバの証人の間では決して語られることはない。たとえそのようなことを耳にしても悪魔の策略であると受け止めるよう教えられている。


○エホバの証人を真面目に長年続けている人々のうつ病発生率が高いことが医学的データを根拠に発表されている。


○輸血拒否によるエホバの証人の死亡は一日のうちに一箇所でおきていないのでニュースにならないが、世界中で輸血を拒否が原因となって大切ないのちを失い、あるいは家族のいのちを失わせているケースが数多くある。知られざる社会問題あり、医療に従事している方々にとっては深刻な問題である。


○自分で考えることができない状況におかれるので、しっかりした論理的思考ができなくなる。また地震や戦争のうわさなどいろいろなことが起こる度に、深く思考することをやめ、もうすぐハルマゲドンが来るんだ。だから何よりも優先して、集会の出席と宣教に時間を費やさなければ、という結論にいたり、自分の人生設計ができなくなり、家族などが犠牲になる。


○エホバの証人たちはいろんなことがあったとしても、自分たちこそ本当のクリスチャンであると思っており、そのように触れ告げるので、聖書をまったく知らない人は誤解したり、その教えに惑わされてしまう。


○エホバの証人を家族にもつ方々が悩んでいる。どう対処すればいいのか。どこに相談すればいいのかわからない。最悪の場合家庭が崩壊してしまう結果になっている。


○キリスト教会がエホバの証人と関わりを持たないので彼らはキリスト教会の牧師は聖書を真面目に勉強していない。聖書に従っていないのだと組織から教えられたとおりに解釈するようになっている。


○間違いに気がついてもエホバの証人をやめると今まで長年交流のあったエホバの証人から無視され、忌避される掟のゆえに、もう信じてはいないのに、形だけ、集会に参加することもある。

このようなことがあって私のエホバの証人に対する態度は変わってきたのです。南九州でもたくさんの方々がこのような問題を抱えているでしょう。派手な見栄えのする働きではありません。まだまだ不十分ですが、暗闇を照らす一助になればと願い、すでに何年も前からエホバの証人問題を取り扱っておられる鰺坂正美牧師(坂之上バプテスト教会)と一緒に専門家の先生方のお力を借りながらこのセンターを立ち上げることになりました。実は立ち上げメンバーにもう一人いらっしゃるのですが、家族がエホバの証人であり、救出するまでは名を明らかにできないためにここでは伏せておくことにします。

エホバの証人問題は間違いを正しさえすれば、すぐに簡単に解決する種類の問題ではありません。


発起人も他の務めを持っている中、祈りながら、励ましあいながら、以下のパウロのことばに立って取り組んでいく所存です。どうかご理解いただき、お祈りいただけたらと存じます。


Ⅱテモテ2:24~26
主のしもべが争ってはいけません。むしろ、すべての人に優しくし、よく教え、よく忍び、反対する人たちを柔和な心で訓戒しなさい。もしかすると、神は彼らに悔い改めの心を与えて真理を悟らせてくださるでしょう。それで悪魔に捕えられて思うままにされている人々でも、目ざめてそのわなをのがれることもあるでしょう。

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